【-彫師- SEIGO】人生観に迫る30のQ&A~日本の“和彫り”を新しい観点で~

今回は彫師のSEIGOさんに伺った、タトゥーについての30個のQ&Aのお話を綴っていきます。

彫師を目指したきっかけは?

学生時代に画家の活動をしていて、4年間やってあまり芽が出ないなというのもあって、そこで大学を卒業するタイミングでタトゥーを教えてくれた人に出会って、そこから彫り師を目指したっていう感じですね。

タトゥーに興味を持ったきっかけは?

タトゥーに興味持ち出したのは23ぐらいですかね。大学を卒業するタイミングで、みんな就職する時だったので、何かしなきゃっていうので色々考えて彫り師になりましたね。

彫師をやっていて楽しいことは?

自分がびっくりするような作品が作れる、作れた時は楽しいですね。それと弟子の成長とか、稼いで家族が喜んでくれるとかは楽しいですね。

まぁでも絵が描ける仕事をしたかったというのはあるんですけど、思ったよりサービス業だなという印象が強くて、10年間ちょっと苦しんだんですけど、だんだん自分のアーティスト性も出せるようになってきたかなというのがあるので、楽しくなってきましたね。

尊敬している人物は?

アーティスト以外やと母親ですかね。なんか小さい頃に、家にすごい漫画があったりとか、聴く音楽とか映画とかは、母親から影響を受けた気がします。

ホラー漫画が結構母親は好きだったので、ホラー漫画とかホラー映画、13日の金曜日とか、フレディーとかもずっと家で流れていましたし、伊藤潤二の漫画が転がっているような家だったので読み漁っていましたね。

影響を受けた音楽や漫画は?

音楽や映画は、ないかもしれないですね。その平面作品から受けることの方が多いです。

インスピレーションを受けるものは?

デザインに困った時は、一回本屋に行って画集を見たりとか図鑑を見たりとか、
一通り回ってみて、目に見えて分かりやすいものから受けてる気がします。

仕事を両親に伝えたのはいつ?

最初の頃にもう伝えたと思いますね。反応は、泣いていましたね。まぁそういうもんかなと思いましたけどね。
不安の方が大きかったと思いますけど、この歳になって認めてもらった部分は結構ありますね。
妻に関してもそうなんですけど、元々みんな結構反対だったんですけど、頑張っていたら認めてくれるようになりましたね。「何か俺も入れようかな」とか親父も言い出しましたけど。

初めて自分に入れたタトゥーは?

左足のスカルかな。自分で練習でやったやつが初めてです。

初めてお客さんに彫ったタトゥーは?

肩に天使のタトゥーを彫ったのが初めてやったと思うんですけど、緊張よりかは楽しいとか、ワクワクの方が強かった記憶がありますね。

一番楽しかった仕事は?

弟子たちに彫るタトゥーは、かなり信用してくれてお任せで何でも自由にやっていいよと言ってくれるので、その時はもう脳汁めっちゃ出るっすね。楽しいですね。最初から信頼関係も築けていて、任せてくれるというのはなかなか少ないので楽しいですね。

お気に入りのタトゥーは?

自分に入ってるタトゥーは、ほぼほぼ弟子たちに入れてもらっているので、全部お気に入りです。まぁみんな素人の段階で入れてもらうので全部痛いんですよ。痛くて雑なので、汚いんですけど、全部気に入ってます。

彫師をしていて困ったことは?

あまり困ったこともないんですけど、生命保険に入りにくいとか、住宅ローンとか、事業ローンが通りにくいっていう問題はあって、職業的にちょっと認められていない部分は、どうにかしていきたいかなと思いますね。

電車に乗っていて怖いとか、別に何か僕どうでもいいので、そういう何かお仕事頑張ってるのにうまくいかない部分はどうにかならないかなと思ってます。

よく言われているのは、ヤクザのイメージが強いとか、反社のイメージが強いとかはありますけど、そろそろだんだん変わっていってもいいんじゃないかなとは思いますけどね。

お弟子さんを取りだしたきっかけは?

弟子を取り出したのは、5年ぐらい前ですかね。独立して3年ぐらい経ったときに、自分のステップアップとして誰かを育成することが大事なんじゃないかなと思ってやり始めました。
弟子は7人です。

お弟子さんの育成で難しいことは?

まぁ7人いるので一人一人悩みも違いますし、僕の考えを押し付けないとかそういうのは意識していますかね。

自身が見習いだった時代との変化は?

僕が見習いだった時は、住み込みだったんですけど、師匠が寝るまで寝ちゃいけないとか、師匠より早く起きるとかそういうコテコテの世界だったので、今と同じことがないぐらい違ってたので全然違いますね。やっていることが。でも僕自身が強く言えないみたいな感じなので、僕は今のスタイルの方が合ってるかなと思いますけどね。

彫師になるための必要なスキルは?

一番重要なのは、やっぱり僕は絵を大事にしているので、画力とかオリジナル性とか、その次に人間性みたいなところじゃないかなと思います。

辞められたお弟子さんもいる?

そうですね。かなりいますね。僕との相性が悪かったりとか彫り師自体、やってみたら違ったりとかもあるんで。
一番の課題は、師匠と弟子のマッチングミスみたいなのが多いかなと思っているので、弟子入りしてから師匠のことを知ることが多分多いと思うんですよね。逆もしかりですけど、性格が合わないとかタトゥーに対しての熱量が違うとかがあるので。
でも多分、合う彫り師さんも師匠もいると思うのでそのマッチングは、最初にちゃんと調べてした方がいいかなと思っていますね。そこが改善できたら業界はすごい良くなっていくかなって思ってますね。

1日の施術時間は?

8時間ぐらいですかね。まぁ4時間くらいを二人って感じです。

家での過ごし方は?

仕事終わって帰ったらもう深夜なので、ほとんど何もしてないですね、ぼーっとして終わって、休日は公園行ったりとか、家族との時間を作ってますね。

ファーストタトゥーでおすすめの場所は?

僕はふくらはぎとかがいいかなと思ってますね。腕とかは結構見えるので、のちのちでっかく入れたりとか結構邪魔になったりするので、下半身って結構なんかお試しの場所かなと思っているので、ファーストにはいいかなと思っています。

タトゥーを入れる前に必要な準備は?

よく言われてますけど、よく寝る、よく食べる、前日呑まないとか基本的なことはそうですね。
あとは完成を楽しみにするとかじゃないですか。脱毛しておけばよかったなって言うお客さんは結構いますね。

あと好きな彫り師さんたくさん調べた方がいいんじゃないですかね。まぁわりと失敗しがちかなと思っているので、その失敗も楽しめる心は持った方がいいかなと思いますね。

タトゥーが痒くなった時の対処法

僕ね自分に入れないのでそんなに分からないんですけど、叩けばいいじゃないですか叩く。
タトゥー自体叩いてもいいと思いますけどね。叩いたくらいじゃ(色が)抜けないと思いますけどね。

日本と海外でのタトゥーの違い

和柄に関しては、誰が彫るかというのは割と大事なのかなと思っていて、僕は日本人で和柄をやっているというところもあるので、日本人が“MADE IN JAPAN”を作るというのは大事なんじゃないかなと思っています。
ものを進化させていこうという気持ちは海外の方があるような気がしていますね。
まぁ日本人はやっぱこう保守的というか、守っていく文化だと思うので、守る力は強いかなと思っています。

自身のスタイルを確立はいつ?

僕のスタイルの確立は、まだしてないんですけど本当2、3年前ですね。に考え出して
ちょっとずつ作っているって感じですかね。長い時間かけて完成させたいなと思っていますね。
10年ぐらいは色々なジャンルに手を出して、まぁタトゥー上手くなりたかったので、何でもやるっていう感じだったんですけど。
そのスタイルが限界だなというか、アーティストとして限界だなと思って。だから1個に絞って、その1個を極めようみたいな考えだして。じゃあ何極めようかなと思った時にまぁ日本人だから、日本の日本原産のモチーフとか和柄とかを使いながらコテコテの和柄するのはそんなに好きじゃなかったので、
新しくしていこうみたいなそんな感じですかね。

“黒”へのこだわりは?

そうですね。作品の中で結構黒の面積を多く使うんですけど、黒くしたいというよりかは、
白い部分を白くしたくて。人の肌って白い部分がないので、絵的には白くしたい部分がたくさんあるので、白インクを使わずに白を出したい。なので黒を多くしてるみたいな感じです。

タトゥー以外で欠かせないものは?

“他人”ですかね。何か一人で生きていたら、ちょっとしんどくなっちゃうので、なんかそういう外的要因が欲しいですね。

自分を一言で表すと?

XのAIがあるじゃないですか。あれに聞いたら彫り師って言ってました。

彫師のやりがいは?

ちょっと前まではいい作品が出来た時、今でもそうなんですけど。最近は弟子が育つこともすごい
楽しくてやりがいに感じているので、弟子の育成と自分の作品を作ること、どっちかができたら
楽しいですね。

彫師としての目標は?

目標は、(彫り師として)世界一になりたいなと思っています。

【DOTT 動画】

↓DOTT掲載の動画でもご覧いただけます。

-SEIGO-

-VOW TATTOO-

※「DOTT Tattoo Media」では、インタビューを受けて頂ける方を募集しています。氏名、年齢、お住まい、ご職業、自身のタトゥーのことを簡単に明記の上、お問い合わせ下さい。洋彫り・和彫り、タトゥーの数や種類は問いません。お気軽にお問い合わせ下さい。