“手彫り”タトゥーと”ハンドポーク”タトゥーの違い

現代のタトゥーシーンでは、タトゥーマシンを使用してタトゥーイングを行うアーティストが多数派ですが、タトゥーマシンを使用せず、タトゥーを完成させる伝統の手彫りタトゥーとハンドポークタトゥーについてまとめてみました!

“手彫り”とは?

(出典:https://www.cnn.co.jp/style/arts/35132556.html)

タトゥーマシンなど機械を使用せず、手作業で針を使いインクを皮膚に彫り込む伝統的なタトゥー技法です。日本の伝統的な「手彫り」や、ポリネシアの「タタウ」やタイの「サクヤン」などが代表的な手彫り手法ですが、ここでは日本の伝統的な刺青手法としての”手彫り”を取り扱います。

(出典:https://goodtimesink.jp/2024/02/29/tebori/)

“ハンドポーク”とは?

(出典:https://www.gqjapan.jp/culture/article/20211123-made-by-hand)

ハンドポークも手彫りと同様にタトゥーマシンなどの機械を使用せず、手作業で針を直接皮膚に刺してインクを入れていく技法の一つです。比較的近年にハンドポークをスタイルとするタトゥーアーティストが増えています。

(出典:https://www.gqjapan.jp/culture/article/20211123-made-by-hand)

2つの主な違いとは

プロセス

手彫りタトゥー
日本で刺青が盛んであった江戸時代。西洋では電気を使いマシンでタトゥーを彫るのに対し、電気を使わない日本の刺青職人が生み出した伝統的な技法を総じて”手彫り”と表現します。現代では「TEBORI Tattoo」として世界的にも高い評価を得ています。
先端に針を取り付けた金属や竹の手彫り専用の道具を使って皮膚を彫ります。針を皮膚に刺し、彫り込みながら墨やインクを注入していきます。針を直接打つという点ではハンドポークと似ていますが、手彫りでは力の加減の幅が大きい事や、主に職人の手作業で作られる針先の多様性から、アーティストの多彩な表現により皮膚を彫り込み、色を加える方法になります。

ハンドポークタトゥー
「HAND POKE」直訳すると「手で突く」。多くはタトゥーマシン用に作られた針をタトゥーマシンを使わずに手で持ち、インクを付けた針を皮膚に打ち込んでいきます。針を動かすのはアーティストの手であり、アーティストが1針ずつインクを皮膚に注入するような感覚です。タトゥーマシンを使用しない、近代の手法をハンドポークと呼ぶ傾向にあります。

②作品の仕上がり方

手彫りタトゥー
一定のリズムで動作するタトゥーマシンを使用するのと比べ、アーティストの技術で一針一針、強さや深さを調節できるため、発色や色持ちが優れていると云われ、日本伝統技法ならではの迫力、存在感を放ちます。

(出典:https://ryugendo.tokyo/tebori-koifish-tattooing/)

ハンドポークタトゥー
細かく精密なデザインが可能です。タトゥーを入れる速度は機械よりも遅く、アーティストが時間をかけてゆっくりと彫っていくため、仕上がりに独特な質感が出ます。また、一般的にはインクが浅く入るため、時間の経過により色が柔らかく見える傾向があります。ライン向けの針を用いてタトゥーイングを行う事が多いことから、ドット状のインクが作品に見られる事が多いです。

(出典:https://www.gqjapan.jp/culture/article/20211123-made-by-hand)

主な違いまとめ

特徴手彫りタトゥーハンドポークタトゥー
技法針のついた専用道具で皮膚を彫り込む針を手で打ち込んでインクを皮膚に注入
仕上がりの質感深い色合いが出る、発色や色持ちに優れている精緻で柔らかい質感、インクが薄くなることがある
道具職人が手作りの、先端に針のついた金属や竹の専用の道具を使うタトゥーマシン用の針を使う
使用される文化日本の伝統的な刺青の手法近代増加している手法
痛みの程度アーティストの表現により、深く彫る事もあり、また作品が大きいものが多く、痛みが強く感じられることも多い比較的作品が小さい傾向にあり、軽い。針の深さが浅いこともあり、痛みは少ないとされる

まとめ

手彫りタトゥーは、専用の道具を使って皮膚を彫り込む方法で、繊細な深い色合いや、伝統的な美しさが特徴で伝統的な文化に根ざした技法です。一方ハンドポークタトゥーは、針を使ってインクを皮膚に注入する手法で、精密なデザインが特徴的で、比較的近代の技法です。

どちらも特徴的な技法であり、タトゥーマシンを使った作品とは一味違う、唯一無二の作品になること間違い無しです!

Writer:スタッフS