タトゥーは、単なる装飾だけでなく、文化や信仰、アイデンティティを示す重要な要素として、世界各地で受け継がれてきました。本記事では、世界のさまざまな民族タトゥーの歴史や意味を紹介します。
ポリネシアンタトゥー(Polynesian Tattoo)
ポリネシア文化圏(ハワイ、サモア、タヒチ、マオリなど)のタトゥーは、部族の歴史や社会的地位を表すものでした。体は天と地と繋がっていると考えられており、背面のタトゥーは過去、前面は未来、体の左側は女性、右側は男性に関連していました。また家系の記録を残したり、重要な節目となる出来事を表したりしていたということです。
アイヌのタトゥー(Ainu Tattoo)
日本の先住民族であるアイヌの女性たちは、伝統的にタトゥーを施していました。女性の成人や結婚可能な女性であることの証明、同族外の男にさらわれないためのガードなど様々な理由があったとされています。
タイやカンボジアなどの仏教徒の間で行われる神聖なタトゥー。タイ語でサック(入れ墨する)、ヤント(ヤントラと言われる魔法を言葉や図形を表したもの)、つまりヤントを体に入れるという意味で、このサクヤンを入れると、運命を変える力や悪い宿縁から逃れる力、また悪霊から主人を守護するなどの神秘的な力が備わると信じられています。
フィリピンの先住民族であるカリンガ族などが持つ伝統的なタトゥー。戦いで敵を倒した証として、勇敢な戦士に施され、悪霊や災いから身を守るお守りのような役割を持つと言われています。
北米や南米の先住民たちもタトゥーを文化の一部として受け継いでいました。その意味はデザインによって違います。
矢や矢印:勇敢さや守護、肉体的・精神的な強さを象徴、邪悪なものを避けるお守りの意味など
スカル:再生、守護、強さ、勝利などの意味
トライバル:自信や自然、勇気、精霊などといった意味を持つ
北アフリカのベルベル人女性が持つタトゥー文化。もともとは病気やケガの治療目的のおまじないの意味があったと言われています。またアイデンティティにまつわるような情報を保持、表現する手段として肌に彫っていたとも言われています。
民族タトゥーは、それぞれの文化や歴史と深く結びついており、単なる装飾ではなく大切な意味を持っています。近年、伝統的なタトゥーの価値が見直され、再び注目を集める動きもあります。
その中でも刺青(和彫り)は日本が誇る伝統芸術であり、世界中から高く評価されています!
Writer:スタッフS