近年においてタトゥーは、ひと昔前に比べると、世間的にも受け入れられている傾向にあるように思います。若者の間でも、いちファッションとして捉えている人も年々増えているようです。この記事では、そんなタトゥーにまつわる、恐らく今まで知らなかったであろう世界で起こっていた事実をいくつかご紹介します。
文字通り、タトゥーは眼球に入れることができるのです。一般的には、針で目の表面の下にインクを吹き付けます。これは、強膜と呼ばれる目の白い部分に着色をすることで、眼球にタトゥーが入ります。眼球をしっかり着色するには、20回以上の刺入が必要なため、施術は数日にわたることも。また、肌に使用するインクでは、眼球には濃すぎる為、生理食塩水などで希釈した、濃度が薄めのインクが使用されます。
眼球という繊細な部分にタトゥーを入れるということは、極めて高いリスクがあることは容易に想像できるでしょう。実際に失明や視力低下の実例もあるようです。それでも、この施術を受ける人は存在し、成功したあかつきには、CGのような美しい目を手に入れられるかもしれません。
エッツィは、イタリア・アルプスの氷河で発見されたミイラです。この氷人像の体には、いくつものタトゥーが彫られていた痕・証拠が残っています。これは、ケガをした個所にタトゥーを掘ることで治癒を図ったものと推測されています。また、同時期に見つかった男性のミイラにも、複数の動物を象ったタトゥー、女性のミイラには、S字型の模様を複数並べたデザインのタトゥーが施されていたそうです。
<https://www.cnn.co.jp/fringe/35115588.html>
ニュージーランド人は世界で最も刺青の多い民族であると言われています。これは、この島のマオリ族が、今でもポリネシアンの伝統的なタトゥーを入れていることが主な理由です。これらのマオリ族に受け継がれている伝統タトゥーは”タ・モコ”と総称され、これは人々の「アイデンティティ」を意味しています。現在のニュージーランドには、100近い部族が現存しており、それぞれの文化やルーツを表現するために、独自のタトゥーが発展してきた結果だそうです。
部族によっては、タトゥーは単なるデザインではなく、自分の身分、階級や職種を彫り(勿論職種の絵や文字を直接掘るのではなく、独自のデザインでわかるようにしている)、一目で誰が何をやっているのか、社会的地位がどれほどの人なのかなどがわかるようにしている部族なんかもあるようです。
マオリのタトゥーは、タトゥーを彫りたい人と対話をし、その中からデザインを作り上げていきます。完成されたデザインを彫師に渡し、「これを入れて下さい」というやり方は、マオリのタトゥーには反するそうです。また、これらのタトゥーは、マオリの部族外の人間も彫ることは可能なようです。
自然と密接に関わっているマオリ族が独自に作り上げたタトゥーのデザインは圧巻です。
<https://www.buzzfeed.com/jp/rikakotakahashi/ta-moko>
1846年、ドイツから移住してきたマーティン・ヒルデブラントが、当時未完成だったブルックリンブリッジの下にあるオークストリートに、ニューヨークで最初のタトゥーショップを開きました。その数年後、トーマス・エジソンの発明したパンチングペンを基に、最初の電気タトゥーマシンが特許を取得しました。ニューヨークでは、1997年まで、タトゥーの施術は違法とされてきましたが、ひっそりと活動は続けられ、現在では50%近くの18歳~30歳のアメリカ人がタトゥーを入れているそうです。
タトゥーにまつわる世界中の記録や小ネタに、面白さや魅力を感じて頂けたら幸いです。
本記事はこのページを和訳・再編したものです。